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<<   作成日時 : 2007/12/12 13:32   >>

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中国語発音

中国語は音調言語である。音節の音の高低の違いが子音や母音と同じように意味を区別している。これを声調(トーン)という。例えば、「普通話」には{ma}という形態素は軽声も含めて19個もある(松岡、2001)。そこで普通話では陰平声、陽平声、上声、去声の4つの声調と軽声を用いて、ある程度意味を区別することを可能にしているのである。


◆四声から九声まで
外国語の学習では、とりわけ入門期に単語の読み方をカタカナで記し、ときには教師からしかられることもある。母音や子音の発音が日本と大差ないならば、この方法も決して悪くない。中国語の場合は、子音だけ見ても「反り舌音」とか「無気音・有気音」など、カナでは表しにくい音があるが、仮にカナを工夫しても、中国語ではそれぞれの音節にかぶさる tone(声調)がつかないと、言葉として理解されない。声調は、共通語の場合、高く平ら(第1声)、上昇(第2声)、低くおさえる(第3声)、下降(第4声)の4種があり、4声とも呼んでいる。カナで書くとマイとなる音を第3声でいえば「買う」、第4声でいえば「売る」の意になる。

中国語の初学者は、中国語は発音が難しいというが、多くは四声になかなか慣れないことを指す。しかし、学校などで学ぶ共通語はわずか四つの tone を区別すればよいのだから、耳にする機会が増えれば、自然に調子がつかめるものである。中国各地の方言では、声調の種類が四つどころか、さらに多くの高低上下を区別しなければならず、上海語は五声、広東語はなんと九声ある。

ところで、広東語の九声のうちには音節末尾が -p、-t、-k で終わる、日本語の促音に似た、入声という声調が3種ふくまれている。共通語ではこれらの末尾音はすでに消滅しているが、日本語の字音はこの痕跡をとどめていて、日本人は漢字を見て入声をすぐ識別できる。しかし、一般的には字音は日本語からある程度推し量れるが、第何声であるかは推し量れない。声調について初学者が苦労するのは、むしろ漢字の一つ一つについて第何声かを覚えることである。

共通語は方言に比べ、声調も、母音も子音も数が比較的少なく、日本人にとって習得しやすい。ただ、母音では単母音より複合母音が多く、末尾音の -n と -ng が対立するものは、初学者の耳にどちらも同じく「ン」としか聞こえず、しばらく苦労する。末尾音が -n、-ng となる音節が多いため、耳から受ける中国語の印象では、トンチンカンとかチントンシャンなどと「ン」が強くひびく。子音では「反り舌音」と「無気音・有気音」などが練習を必要とする程度である。とくに後者は、共通語がいわゆる濁音を持たない代わりに、清音で息の弱いものと強いものを区別する対立で中国人にとっては同じ「パン」でも「パ」の破裂が弱い無気音と、破裂の強い有気音は異なる音となる。初学者は、とかく声の大小で破裂の強弱に代えることが多く、また聞き取りも慣れるまでに時間がかかる。語頭の子音は、これらをふくめてわずか21しかなく、末尾音の -n、-ng は複合母音の一部である、音節末尾は必ず母音で、中国語は母音がいたって優勢である。

※執筆 輿水 優(日本大学教授/東京外国語大学名誉教授)より引用


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